大阪市北区西天満3丁目1-6 辰野西天満ビル2F
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求人広告は広告媒体という形態を使って、人材採用を実現させるものです。 その役割を整理すると、@雇用条件やメッセージを伝える情報伝達の役割、A応募者を集める集客という役割、そしてその両方をB短期間(1週〜4週)で実施できることと、3つの役割を一手に担える所に商品価値があります。
メリットとしては、利用する企業側が募集したいタイミング(企業側のタイミング)で短期間のうちに実現できることが最大のポイントになります。
デメリットは、その長所の裏返しで媒体の3つの性能(情報伝達・集客・期間)でバランスが偏る募集の場合(例えば 希少資格や専門スキル等の限られたターゲットに絞られる場合は、短期間の集客が難しい)等です。
もちろん、向き不向きに関わらず採用に成功している実例はたくさんあります。しかし、求人広告は媒体の性能によりコストが変化しますので、求人広告の役割を3つに分けて分析することで、どれを選ぶか、どこにコストを注力すべきか整理することができます。正しくメリット・デメリットを知ることで求人広告の利用価値も高まります。
以上のバランスを見ることで、媒体の性能、コストの比較が整理できます。
いくらコストが低くても、応募者が無ければ(集客が弱い)採用できませんし、いくら応募者があっても、適合者がいなければ採用できないように、求人広告の選択、メリット・デメリットの把握は、利用方法に大きく影響していきます。
求人広告の利用価値を踏まえて、改めて整理して頂きたいのが利用の目的です。
もちろん、採用の為ではあるのですが、そもそも人の採用は目的に向けた過程に過ぎず、企業の存在目的が利益を確保する事である限り、何らかのカタチで「利益につながる人材の採用」が必然になります。採用後の人材が戦力になることが目的です。
言われるまでもなく、これは当たり前のことではあるのですが、「いついつまでに人材が必要だから・・・」「3人は採用したい!」と期限や人数の確保を急ぎ、いつのまにか採用を完了させることが目的(利益につながる・つながらずは関係なく)になってしまうケースが多くあります。
求人広告はスグに募集を実行できる性能が確立した商品、採用するだけの目的であれば、短期間で実現できる利便性が強くあります。計画しやすいゆえに、採用の目的が本来の目的とすり替わってしまう危険性があります。
また、求人広告を利用するに伴うコストについても同じく。
単に求人広告の費用はもちろん、面接や選考に掛ける費用、雇用後の毎月の人件費、研修や教育に伴う費用、それら全ての行程に掛ける時間と労力もコストになるので、採用には様々なコストがかかっていることになります。
「採用したが、スグに辞めてしまった・・・・」 それが、1週間後、3ヶ月後、半年後等だったら、結果として利益につながらなかった人材の採用(採用の失敗)は大きなコストとリスクが伴います。
改めて、求人広告を使う前に、採用の目的、それに伴うコストを再認識して、有効に活用して下さい
求人広告を使うにあたっての指針になるのが、ターゲットの設定と採用力の把握になります。
ターゲットの設定はつまり「欲しい人材像」を明確にすること、採用力は募集の難易度を把握することになります。
(*求人広告で必ず必要な項目ですので一度整理してみて下さい。)
ターゲットの設定(欲しい人)と企業力・採用活動に於いては、求人広告を使う企業の状況や事前準備できまり、どのように採用PRを実行するかを私達広告代理店が提案していく流れになります。
しかし、結果としての採用を実現するのは、3つのバランスに起因した採用力で決まります。
応募者にとっても採用は継続する将来の選択でもあり、応募にも必ず動機が伴います。ターゲットを設定し、採用力を把握することで、予測や結果を想定できる確実な利用をご計画下さい。
求人広告の特徴、募集企業の採用力をしっかり整理すれば、「人が集まるか・集まらないか?」の予測立てられるだけでなく、ある程度コントロールできることが分かります。
次の段階は「人が集まってから、どのような方法で採用目的を実現するのか」です。ここを求人をする前に、準備しているかいないかでは大きく結果がかわります。
人を集めることができても、面接や試験などの選考で、採用する人材をしっかりと見極めなければ結果は伴いません。しかし、この選考に関して、募集に連動して準備できている企業は意外と少なかったりします。「面接では良いと思ったんだが・・」「こんな人だと思わなかった」「採用後すぐ辞めてしまった」等、求人広告のは練りに練って募集したのに、採用後に思わぬ結果に終わったケースはなかったでしょうか?
選考での失敗は、求人広告の利用そのものを無駄にしてしまう要因になりえます。
単なる人集め・単なる採用結果(採用者を作る)としてではなく、採用後もしっかりと戦力になる=「利益につながる人材の採用」を実現するために、選考(採用基準・選考方法)を事前に作る事をお奨めします。
採用基準? よく「採用基準」=「欲しい人」だと間違われるのですが、採用したいターゲット(欲しい人)についてはあくまで、求人広告を作る指針に必要であって、採用基準とは違います。採用基準はそれと真逆に「欲しくない人」を設定、明確にすることです。
欲しい人に対し、欲しくない人は明確なライン(基準)が引くことができます。
これは例えれば、プロ野球の入団テストで「欲しい選手」を基準にすれば、走攻守そろった選手と理想に際限はなく、皆がイチロー選手、もしくはそれ以上の選手を求めることになり、(イチロー選手を獲得できるかはともかく)基準としては現実味のないモノになってしまいます。
そこで「欲しくない選手」を基準にして明確にすれば、それを越える選手は入団テストの合格者として入団を検討することができ、現実味のある基準として機能します。
企業の場合も同じく、営利団体の基本である「利益につながる」「利益につながらない」を観点に「欲しい人」ではなく「欲しくない人」を基準にすれば、そのラインを超える人材は、採用しても良い人材となり、選考の基準として機能します。
採用基準の具体的な作成については、とにかく、「欲しくない人」を箇条書きに羅列して見て下さい。
その際、経営者、直属の上司や現場のスッタッフともその行程を共有するのは良いと思います。
「欲しい人」に比べて「欲しくない人」を書き出す作業は、より明確かつ具体的な内容で数も増えてきます。
過去の失敗やトラブルは、繰り返しを避けたい危機感から、箇条しやすい特徴があります。
また、書面に必ず書き出す事を忘れずにして下さい。この行程は選考基準に必要になります。
作成は簡単です。思い当たることを箇条に書いていきます。
採用基準が確立すればその基準を見極める選考方法が必要です。
採用基準と連動した選考フローを作り、企業や部署、職種ごとにマッチした採用の仕組みを確立させていきます。
選考の目的は応募者の適性と能力を見極めることです。
多くの企業がこの選考方法において、書類選考、筆記試験、適性検査、面接 と単一的に実施しているケースが多く、漠然と応募者の適性と能力の把握に努めるだけに終わっています。
そこに採用基準という見極めるべき指針を持つことで、本来の採用の目的(欲しい人=利益につながる人材)に連動させていくことが肝心です。
また、採用基準が、業種や部署、職種ごとに違ってくるのと同じく、その選考方法も変わり、見極めるべき箇所が違ってくることがわかります。採用案件ごとに独自の選考方法を作ることがポイントになります。
選考方法で最も重要なのが面接です。応募者の適性や能力を最も見極められる機会であり、最終の判断は面接で決まります。(面接の方法については面接方法で別途まとめます)
しかし、応募者全員を随時面接していくのはかなりの時間と労力が必要です。
より効率的に面接を実施する準備、面接では見極めにくい部分を受付→書類選考→適性検査の段階と役割を持って、採用基準を見極める選考フローを組み立てていきます。
受付の段階から選考はスタートしています。電話を掛けてくる時間帯、その電話内容(マナーや話し方、声の表情)など、まだ選考段階ではないと思われがちな状況に、応募者の本質が出てきたりします。これはメールであっても、文章の作り方やメール返信のタイミングなどでも分かることがあります。受付の段階から、どのような対応だったかを記録しておくことは選考にも役立ちます。
受付段階での評価を入れられる受付表 →受付表ダウンロード
履歴書・職務経歴書から得られる情報は選考の重要な材料です。書類の情報だけで採用基準を満たさない応募者については、それ以降の選考行程を省く判断ができますし、また次の段階に進む応募者に対しては選考精度を上げる材料になります。
@面接に進むべき応募者の選定
A面接で確認する事項の事前準備
Aを実践する為に、先に履歴書や職務経歴書を郵送して頂き書類選考を先行するのは有効な方法です。
スピードや手間から「応募者が減ってしまう」懸念もありますが、手間を掛けるだけの志望動機の強さの確認や、企業側の面接精度のアップ等、実施するメリットを一度検討してみて下さい。
適性検査の役割は「面接で見極めにくい」性格や適性、能力、国語・数学力・知能指数や一般常識等のバランスを見ることができます。単に形式的に独立したモノを実施するのではなく、採用基準に見合ったモノをチョイスすれば、より機能します。手間や時間、費用の掛かるモノですが、採用で失敗するデメリットを考えれば十分な価値があます。
採用基準と連動した選考フローの中で最も重要なのが面接方法の確立です。
選考方法の事前準備として、具体的な面接方法を作っておくことも含まれます。
面接の事前準備と言われても何から始めたら良いのか検討がつかないと思います。実際に企業が選考段階で最も重要視しているのが面接です。にもかかわらず、面接を受ける側(応募者)には、その必勝法のマニュアルや訓練の場は多くあっても、面接を実行する側(企業)のそれは非常に少なかったりします。意外と洗練や改善を実施しにくい分野でもあります。
面接の目的、面接の具体的な方法とそれぞれを箇条致しますので、現在の方法から追加や改善すべき点を一度整理してみて下さい。
面接の目的は応募者の適性や能力を最大限に引き出し「採用基準を見極める」ことにあります。
まずは選考や面接を担当する方がこの目的を共有します。
営業経験や社会経験の豊富な方、人事専門に面接経験の多い方、経営者・接客業といわゆる「人を見る目」に長けている方は、相手の表情や仕草をよく観察しています。選考で面接を最重視する理由であり、面接でしかできない基本の部分です。そこに見極めるべき採用基準を連動させる為に、「採用基準を確かめる質問から、応募者の応え方を見る(判断する)」といった面接の流れを作っていきます。
聞き上手は話し上手と言われるように、応募者が応える内容と機会(判断材料)を増やすイメージで、見極めたい判断
材料を引き出し、面接の目的をより確実なモノにして行きます。(実行するためには事前に質問内容を作る必要があります)
採用基準を作る過程で、欲しくない人を具体的に紙に書き出す事をポイントにしていましたが、それが、面接の質問を作ること段階で必要になります。採用基準を箇条書きされた項目を一つ一つを、確認する為の質問(もしくはチェックの仕組み)に置き換えていきます。
はい・いいえで応えられるクローズ質問では簡単な確認に終わってしまいます。応え方が変わるオープン質問を
する事で、応える内容から判断することができます。
応募者全員に同じ質問をする事や、面接官が変わっても質問が決まっていれば、答え方を比較する事でできます。またより有効な質問へと改善と洗練を繰り返すことで、より精度をあげることができます。
面接の内容を具体的に記録する面接票を活用します。これは、面接内容を記録すること 面接の聞き逃しを予防することが目的です。面接の記憶やフィーリングは時間が経つほどに薄れていきます。何人も面接して行く内に記憶が曖昧になったり、誰の発言か混乱する事があります。また質問する内容や聞き逃しなど、ばらつきがあっては比較しにくくなります。面接票を使うことで均一な評価体制を整える事ができます。
チェック項目と連動した質問法を組み立てられる面接票 →面接票ダウンロード
面接の機会は応募者にとっても企業や職場の雰囲気をみることができる唯一の機会になります。面接は企業が応募者を見極める機会ではありますが、同時に応募者も入社すべき会社かを見極める機会でもあります。面接担当の対応は企業のイメージを代表すると言っても過言ではありません。
また、面接の方法(見極めるべき項目)等、ある程度のシミュレーション(ロールプレイング)で訓練を積むのも良いと思います。 ぶっつけ本番で、履歴書をその場で受け取り、思いつく質問で勘と経験が頼りの面接ではなかなか精度があがりません。面接も準備の段階で整備しているかで、その内容は大きく変化して行きます。
応募者の適性や能力を最大限に引き出す為に、環境を整えるのも必要なことです。応募者は面接のプレッシャーや始めて訪れる慣れない環境等で、企業側より緊張しています。リラックスして、面接が行える雰囲気作りも含め、実行する環境にも意識して頂くのは良いと思います。また確実な面接を実行できるように、一人は質問、一人は面接票の記録や応え方の観察など、複数で連携して実施するなど、環境作りを工夫して下さい。
ここまでを全てをまとめると、ほとんどの行程は求人広告を出す前の事前準備の段階で決まってくることがわかります。
求人広告を出すだけなら、採用力の段階からで充分ですし、応募者の母集団(実際の応募者の数)を作ることが可能です。しかし、採用基準がなかったり、あっても連動した選考方法がない場合、多くのケースで「母集団の中から最高の一人を選ぶ」といった選考プロセスから採用者を選んでしまいます。また、採用者を作るという結果を優先する場合も同じく、応募者が少ない場合など、「一番マシな人材を選ぶ」といった妥協の選択すらありえます。
応募者3人から1人、10人から1人、100人から1人と応募数をアップさせることで採用者のレベルをあげる確率論から、数を集める指標で広告を計画しがちになります(これは我々の広告業界でもある傾向です)。
100人の中から選んだ1人といえども、採用基準を満たしているかは別問題です。個々の企業や募集案件で独自に
変わるのが採用基準。求人広告を使う目的も事前準備で大きく変化します。
100人以上の応募者があったのに、1人も採用基準が満たさなかった場合、採用基準を下げるのも本末転倒になります。適合者がいない場合は、求人広告や人の集め方に問題があると改善すべき問題を絞り込めます。妥協による採用は企業のリスクはもちろん、採用された人材にも不幸な事態と双方にデメリットがあります。
採用基準を作ることによって、採用を見送る選択ができるのは会社を守る為にも大切なことです。
求人広告を使う前に、事前準備をしっかりと踏まえて、自社にとっての正しい求人広告の使い方を是非ご検討下さい。
以下は求人広告を読む読者が、転職に求める条件をグラフにしたものです。広告で何を伝えれば読者の興味にマッチ
するかの目安になります。
対して以下は、従業員の離職理由(企業を辞める理由)をグラフにしたものです。
矛盾しているようですが、入社前と入社後では求める要素が明らかに違います。特に注目して頂きたいのが経営理念について。実は採用に置いて経営理念(企業理念)はとても重要な要素であり、採用してからの関係に大きく影響する部分です。よく「スグに辞めない人が欲しい」といった要望を企業側からお聞きするのですが、それは応募者の適性で完結しているわけでなく、採用後の会社との関係から生まれる要素が離職理由の大半をしめています。
その理由の一つである「経営理念」については、入社前(募集や選考)の段階でも確認することができる要素。募集段階での告知(広告の内容)や採用基準に「経営理念」の共感やその確認をする事は有効になります。これは会社を探す段階では、応募者も感心が低い要素だけに、企業側であえて実行する必要があります。「利益につながる人材の採用」を観点にすれば、経営理念を踏まえた人材採用の重要性が益々高まるハズです。
経営理念(企業理念)について、また、定着率に関わる要素(従業員満足度や改善方法)等、
企業個別で作る領域であり、一つ一つを掘り下げる必要があります。
求人広告を利用する企業、ましてや初めて使う企業の担当者の一番の関心は「人が集まるかどうか?」だと思います。採用基準や選考方法を確立しても、応募者がこないことには始まらない!というのはごもっともで、応募者を作る(集客)ことを考えるのは避けられない必要な段階があると思います。
しかし、応募者が見込める状態、集客が成功してからは別の問題も顕在化してくるのも事実です。「応募者の質を上げる」にはどうすればいいのか?これは採用基準や選考方法を確立させていくことでも重なる問題です。
タイトルの「週30人以上の面接・・」というのは単なる目安ではありますが、1人の面接時間を1時間としたら、1週間フルに面接しても30人がやっとになります。面接をはじめとした選考は省く事ができないだけに物理的な限界人数もあります。週30人というのはある意味、応募者を作る(集客)段階から、「応募者の質を上げる」集め方に注力すべき段階の分岐点だと言えます。
では具体的にどうやって応募者の質を上げればいいのか? それは求人広告のメリット・デメリットでもふれた、3つの役割でいう「情報伝達の役割」に重要なポイントがあります。集客の広告の段階から採用基準や経営理念の共感といった採用の目的に合致した、訴求、絞り込む工夫を作っていきます。
例えば上記の様な昔ながらの行広告でも応募者が来ないとは言い切れません。月給だけを30万、50万と変更すれば意外と応募者が増えたりもします。しかし、企業側からすれば、広告で応募してくる人材が「利益に繋がる人材なのか見極める」必要があります。何を動機に、どんな人材が集まるか、それが採用の目的に合致しているかは、広告を出稿している企業側だけの観点であって、応募者は広告の内容から素直に応募動機を持ってきます。
求人広告は、「企業側が提供する情報」で構成されます。言い換えれば読者は「企業が提供する情報だけ」で応募を決めなければいけません。何を伝えるかで、読者の質も様々に変化します。
その情報に、採用基準、経営理念の共感、等採用の目的に繋がる役割を与えることもできます。応募者の質は「情報伝達の役割」をどのようにするかで変わる問題、広告を出稿する企業側で決めることができます。